あなたは、あなたの生活や人生をかけた仕事に、愛を語ることができるだろうか。あるいは今、寝食を忘れ、栄光と勝利の為にひたすら鍛錬を極める道をお持ちの方であれば、あなたはその道に対する感情を愛という言葉で口にできるだろうか。
時に、あなたの仕事はあなたに苦痛を与えるだろう。進むべき道は険しく、あなたを拒絶し、どうしようもない無力感をあなたに与えるかもしれない。
そこに愛は存在しないのだろうか。煩雑で膨大な演算を前に、数の奇跡の美しさを感じる心を鈍摩させる数学者の卵には、手厳しいプロの洗礼の前に天狗の鼻をひしがれた新人選手の心の中には。
続きを読む "博士の愛した数式(小川洋子)" いじめはかっこ悪いし、美しくないし、うんざりだ。
『リリイ・シュシュのすべて』を観ていると、少年少女たちの陰惨さに辟易としてしまい胸が痛くなるのだが、『ビタミン』(すえのぶけいこ著 別フレ・コミックス 講談社)もさらに胸が痛む作品だ。
表紙の快活なヒロインに魅せられ、人気が高いすえのぶ作品をジャケ買いしたのだけれど、久々に凍りそうな集団性の悪意を目撃した。まるで地獄絵図だ。昨日までの仲のよかった友人たちは、受験を控えた中学3年生の主人公、沙和子の心を切り裂きつづける。
「これで救われる。」ほんの束の間抱いた希望は、瞬時に破壊され、沙和子は携帯に登録した友人の名を全員消去してしまう。さらに不登校。無理に学校に行こうとしても吐き気に襲われる。当惑する両親。出口が見えぬ孤立。孤独。恐怖。絶望。諦観。自暴自棄・・・・・
だがしかし、だがしかし!沙和子は自室に引きこもる中、幼い頃に「自分はマンガ家になる」という夢を思い出す。懐かしい!勉強するふりして、も一度描いてみよーか!
「描く」ことに没頭することで、沙和子の傷はほんのすこしづつだけれど、癒されていく。こんなに夢中になれるなんて・・・!
悪夢よりもリアルな描写。迫力あるアクション・シーンを約束する確かな画力。緻密なストーリー構成。別フレ誌上、最高に刺激が強い少女漫画であり、圧倒的な孤立に立ち向かう沙和子と母の愛に心を打たれる記念碑的名作。泣ける。
今朝、映画『半落ち』出演中のベテラン女優KKKRNが左目失明というニュースが報じられた。隠しメッセージは「視界が『半落ち』」だ!いつも、シェケナ・ベイビー!!とかロックン・ロール!!とか叫んでいる夫は「オレも片方の目が見えねえんだ!オレも苦しいんだ!」と激励したという。流石だ!「リターナー」の名女優のご回復を祈ってやまない。
『三文役者の待ち時間』(殿山泰司著 ちくま文庫)のブックガイドをおもろしんせつで大人気のサイト「popolism」http://alo.que.jp/poly/magazine/index.htmlで見つけ、いざなわれて書店に直行し、帰宅の車内で30分で読んだ。